B・エリカが家を出ると、大きな声が聞こえてきた。

「うおおお!勝負勝負〜ぅ!」

とたんにB・エリカは憂鬱そうな表情になる。駆け寄って来たのは、身体を鍛える事が趣味の近所にすむ大学生。ことある度にB・エリカと力勝負したがり、B・エリカも迷惑ぎみである。

「・・・また〜?時間ないんだけど・・」

「ふははは!大丈夫!すぐにかたをつけてくれるわ!」

根拠の無い自信は満点。避けようとしてもひつこくつきまとうので、あっさりB・エリカは応じる。時間も無いし。

「・・はい」

右手を上に差し出す。力比べをする時の体勢。でも右手だけ。

「いくぞ!」ガッシと左手で組み付く大学生。

「いいよ?最初から両手で・・・」最終的にいつも大学生は両手を使う事になるので、B・エリカは先に言ってみる。

「片手で十分!!ぬおおおおっ!」力がこもる。

B・エリカも力を入れそのままの体勢で受ける・・・・・

「・・もういい?」しばらくそのままでいたが、B・エリカがさらに力をこめ、ギリギリと押さえ込んでいく。

「うおっ・・ちょ・・く・・」思わず右手もそえ両手で対抗する大学生。

しかし抵抗虚しく←の体勢に・・

「ま・・まだまだぁ!」

「それって頭でおさえてるじゃん・・」

「ち・・違うぞぉ!」

「このままだと手首傷めるよ?」

「そんなヤワでは・・あ」

B・エリカがぐいと無理矢理押さえ付けていく。

「あ・・ちょっと・・ごめん・」

B・エリカは謝りはじめる大学生の手首をひねり、ごろりと道に転がし放す。

「怪我するってば・・・もう行くからね?」

すたすたと歩き出すB・エリカ。数歩いったところで立ち止まる。

「でも前より良くなってる」

そう言うとそのまま行ってしまう。荒い息で大の字になっていた大学生。

「きょ・・今日の所は・・このへんに・・しといて・・・やるぞ・・・ふははは・・・は〜」

全然懲りていなかったりする

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